位置情報導入が定着しない原因は「選定」にある - 見逃しやすい落とし穴3つ
位置情報ソリューション

実務の現場でよく聞くお悩み
近年、 製造業を中心に「現場の動きの見える化」への関心が高まっています。しかし現場の方からは、次のようなお悩みをよく伺います。
- 精度が出ず、次第に活用されなくなる
- 設置やメンテナンスなどの負担が増え、定着しない
- 位置データは取れるが、具体的な改善につながらない
こうした課題の原因は、測位方式そのものではありません。導入時の「選定」にあることはご存知でしょうか?
「位置情報を導入する目的は何か」「その目的を果たすのに、どんな判断軸で選ぶのが最適か」。これらの検討が不十分だと、思い通りの結果が得られないケースがよくあります。
まず押さえたい!選定時に見逃しやすい「3つの落とし穴」
【落とし穴 1】精度だけで決めてしまう
導入時の検討では「どこまで正確に測れるか」に目が向きがちです。しかし本来、精度は目的によって必要なレベルが異なります。
例えば――
- 「危険な滞留箇所や無駄な作業を見つけたい」のであれば、毎秒数センチレベルで取得する高精度測位は不要です。特定エリアの進入回数や、全体の移動傾向が把握できる程度で充分です。
- 「工程間の移動効率やボトルネックを可視化したい」のであれば、対象者の動線がはっきり可視化できる、毎秒測位の高精度測位が必要になります。
目的に対して、必要十分な精度を最適な頻度で無理なく取り続けられるか。この視点が大切です。
【落とし穴 2】「導入しやすさ」を見落とす
性能やスペックが選定の中心になりがちですが「現場が無理なく使い続けられるか」という視点を忘れてはいけません。現場が使い続けられないものだと、目的を果たすのが難しくなります。
例えば「傾向を把握しレイアウト改善したい」のであれば、大規模工事や複雑な配線、常時電源が必要な仕組みは、本当に必要でしょうか?
導入時に
- 工事が大がかり
- 配線が複雑。常時電源が必要
- 定期的なメンテナンスが必要
こういった方式を選んでしまうと、その負担は現場に返ってきます。「目的に対して、どこまでの現場負荷なら許容できるか」は選定段階で見極めておきましょう。
【落とし穴 3】「データを取る」のがゴールになる
「まずはデータを取ってみよう」という判断を先行させて導入し、“使い道が分からないデータ”が残ってしまうというのも、よくある落とし穴です。
- 作業動線のムダを減らしたいのか
- 特定エリアの滞留を把握したいのか
- レイアウト変更前後を比較したいのか
といった各目的に応じて、必要な集計単位や見るべき指標、可視化の形が存在します。
これらを想定しないまま導入すると「データは取れているが、改善にどう使えばいいか分からない」状態に陥ります。
目的はデータ取得ではなく、現場改善。選定時には「この目的を果たすには、どんな形でデータを見たら良いか」までを描くようにしましょう。
では、何を基準に選べばいいのか?
位置データを改善につなげるには、以下4つの観点で選定するとブレにくくなります。
- 対象は「人/モノ/動力車」のどれか?(屋内か屋外か?)
- 必要な粒度は「大まかな分布」か?「正確な動線」か?
- 現場の制約(電源・配線・粉塵・遮蔽物・セキュリティなど)はクリアしているか?
- 「取得→可視化→改善」の運用サイクルを回せるか?
この4観点で選び、現場の動きが見える化されると、例えば次のような改善が回り始めます。
- ムダ(移動距離、滞在、偏りなど)の特定が早くなる
- 安全管理が強くなる(危険エリアの滞在や進入回数を把握できる)
- 改善の連鎖が回る(仮説立て→データ取得→可視化→再評価→次の仮説立て…と回り出す)
現場の可視化によって何が起こるのかは、以下のコラムでもご紹介しています。パターン別の可視化方法についても説明していますので、ぜひあわせてお読みください。
“選定”を意識して、導入後に悩まない
ここで説明した3つの落とし穴を踏まえると、位置情報活用で本当に重要なのは、「どの測位方式か」ではなく「目的に合った選び方ができているか」だとわかります。
株式会社写真化学 ジオサイエンス事業部では、各種ソリューションから、貴社の目的に合ったものをご提案させていただきます。
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